便秘になってお腹が苦しいだけでなく、胸焼けまでして苦しいと悩んでいる方もいらっしゃると思います。
便秘は腹痛や肌荒れ・イライラなど様々な身体の不調を生みますが、胸焼けもそのうちのひとつです。
胸焼けが長引くと、食欲不振や吐き気なども起こります。
便秘と胸焼けは関係あるんですか?
関係あります。
胸焼けがさらにひどくなると物を飲み込みにくくなったり、最悪のケースでは吐血なども起こることさえあります。
こちらでは便秘が原因で胸焼けが起こる理由と、その解消法についてご紹介したいと思います。
このページの目次
便秘で胸焼けが起こる理由
便秘とは
便秘とは摂取した食べ物から栄養を吸収した残りカスや、身体の中から出た老廃物から作られる便が、腸の中で滞ってスムーズに排出されていない状態を指します。
年齢や性別に関係なく起こる身体の不調ですが、男性よりも女性の方が便秘で悩む人は多くなります。
原因は様々ですが、便秘は長く続けば大腸がんの原因などにもなり兼ねないので、軽視せずに早めの対応が必要です。
胸焼けとは
胸焼けとは、文字通り胸が焼けるような感覚や、胸に痛みを感じる症状です。
消化器官の異常によって感じることが多いですが、特に胃酸が逆流した時に感じるケースが多くなります。
その中でも逆流性食道炎は、胃酸が逆流し食道に炎症を起こす代表的な疾患です。
なぜ便秘になると胸焼けが起こるのか
便秘の時の腸の状態
便秘の時には、腸の中に便がたまります。それは時間とともに腐敗し、身体に有毒なガスを発生させます。便秘が長引けばこのガスも増え、腸の中に充満します。
便秘の時にお腹が張るのは、便だけではなくこのガスによって腸が圧迫されている事にもよります。
腸がガスで膨らむと
当然のことながら胃と腸はつながっていますので、腸がガスで膨らんでいくと次は胃も圧迫するようになります。
そうなると胃酸や胃の内容物が食道に逆流し、炎症を起こします。
この時に感じるのが胸焼けの症状になります。
胃酸の弊害
胃酸は大変強い酸性の液体です。
胃は胃壁から胃粘液が分泌される事で、胃酸から守られていますが、食道はそのような仕組みになっていないので、胃酸が留まり続けることによって炎症が起きてしまうのです。
便秘が長期化すればするほど、胃酸は逆流しやすくなって行き、炎症もさらに悪化してしまう可能性もあります。
蠕動運動が弱まることも原因
便秘によって逆流性食道炎が起こるのには、腸の蠕動運動が弱まっている事も原因となります。
腸の蠕動運動というのは、腸が食べ物や便を送っていく働きの事ですが、この蠕動運動が弱まれば、胃の働きにも影響するのです。そこでますます胃酸が逆流しやすくなってしまいます。
逆流性食道炎の弊害
逆流性食道炎になってしまうと、食道の炎症を起こしている粘膜の部分がデコボコになって、食道が狭くなります。
それによって食べ物を飲み込みにくくなったり、ひどい場合には食べようとする度に吐き気が起こったりする事もあります。
また炎症が悪化すると、食道に潰瘍ができてそこから出血してしまうこともあります。
さらに潰瘍がガン化するリスクもあるので、胸焼けに苦しんでいる方は一度消化器内科などを受診して検査をしてもらいましょう。
便秘から来る胸焼けの解消法
便秘を解消する
便秘からくる胸焼けは、便秘を解消すれば改善されます。便秘を解消するにはどうしたら良いのか、いくつかの方法をご紹介します。
便秘の時に胸焼けがすると言う方は、傾向としてたんぱく質や脂肪分を多く摂り過ぎている場合があります。
自分の食生活を振り返ってみて下さい。肉や魚などの動物性たんぱく質を多く食べ、野菜などが不足がちではないでしょうか。
特に市販のお弁当や外食中心の生活になっている方は注意が必要です。
野菜や果物など、ビタミンや食物繊維を多く含んでいるような食物を食べるように心掛けましょう。
健康食品やサプリメントでも摂取できますが、なるべく食事で摂り入れるようにする事で、バランスのよい食生活を送ることができます。
便秘の解消には、食物繊維をなるべく沢山食べることが大事であるという事は、かなり広く知られていますが、食物繊維の中でも、不溶性食物繊維を多く摂り過ぎると腸の中で膨れ上がり、胸焼けを起こしやすくなります。
ですから食物繊維を食べるのであれば、海藻やこんにゃく・果物など水溶性食物繊維を多く含んでいる食品も多めに食べるようにしましょう。
身体に水分が不足すると便秘になりがちです。水分は多めに摂るように心掛けましょう。
ただし、冷たい飲み物は胃腸の働きを鈍くさせてしまいますので、できれば白湯などを飲むようにしましょう。
特に朝起きてコップ一杯の白湯を飲む事で、胃腸の働きを活発にさせ、便通を促します。
また水分を摂る事で、胃酸を薄める効果もあります。
便秘を解消するのに効果的だと言われている食品は、腸の中の環境を整えてくれるビフィズス菌や乳酸菌が多く含まれているヨーグルトなどが有名です。
それ以外にも納豆や味噌・キムチなどの発酵食品には乳酸菌が多く含まれているので大変効果的です。
適度な運動は便秘の解消に大変効果があります。
軽いウォーキングでも腹筋は鍛えられます。
家の周りを気軽に散歩するなども良いでしょう。
外に行けない時には、腰を左右にひねるだけでも、蠕動運動は活発化します。
ストレスを溜めないようにする
過度なストレスが掛かり続けると、自律神経が乱れる事が多くなります。
腸の蠕動運動はこの自律神経がコントロールしているので、自律神経が乱れると便秘や逆流性食道炎になりやすくなってしまいます。
これまで便秘になったことがないのに、急に便秘や胸焼けに悩まされるようになったような方は、自律神経が乱れている可能性があります。
できるだけ自分の好きな事をする時間を作るなどして、リラックスを心掛けましょう。
胸焼けがひどい場合は病院を受診する
ひどい胸焼けが続くような場合には、食道の炎症が悪化している可能性がありますので、一度病院を受診してください。投薬などの治療で症状が治まる可能性があります。
便秘解消の注意点
飲み過ぎに注意すると共に用法用量は守るようにしましょう。
便秘を解消するのに便秘薬を服用する方も多いと思います。
しかしいつも便秘薬を使って便秘を解消していると、腸が薬なしでは蠕動運動を行わなくなってしまう可能性があります。
便秘が何日間も続いて苦しいというような時には、便秘薬は即効性があり大変便利ではありますが、用法や用量を守り、常用は避けましょう。
胸焼けと便秘に関するよくある質問
ご確認下さい。
妊娠したら便秘と胸焼けが頻繁に起こりますが何故ですか?
また女性ホルモンの影響で便秘になりやすいという事もあります。
妊娠による身体の変化ですので、出産後に改善されるケースが多いでしょう。
乳製品や野菜が苦手で食べられません…
年齢が上がるにつれて便秘の度に胸焼けに悩まされるようになりました…
胸焼けを悪化させないためには、まずは便秘にならないように気を付ける事が大切です。
逆流性食道炎に市販の胃薬は効きますか?
最後に
便秘によって胸焼けが起こる原因や、その解消法についてご説明してきましたがいかがでしたか?
胸焼けは珍しい不調ではありませんが、放置しておくと症状が悪化してしまう場合もありますので、長引いているようなら早めに病院を受診するようにしましょう。
便秘によって胸焼けが起こっているとわかっている場合には、まずは便秘にならないような食生活や生活習慣を心掛けましょう。