女性は男性に比べて便秘に悩む方が多いですが、それは腹筋が弱い為でもあります。
また同じ理由で高齢者も便秘になりやすいです。
運動不足は便秘のひとつの原因であり、腹筋を鍛える事である程度便秘の改善は見込めるかもしれません。
便秘は軽く見られがちな身体の不調ですが、実は便秘から他の疾患へと発展してしまうようなケースもありますので、侮ることはできません。
便秘と貧血って関係ありますか?
こちらでは便秘と貧血の関係や解消法についてご説明致します。
便秘を放置しておくのは危険であるという事を知り、改善する必要性を感じて下さい。
貧血の基礎知識
貧血とは
血液は、白血球や赤血球それに血小板などの成分により成り立っています。
その中で赤血球は酸素を運ぶ働きを担っていますが、貧血の人はこの赤血球が不足している状態です。
さらに赤血球と結びつくヘモグロビンも少なくなっていて、身体の中の酸素が減ってしまっていわゆる貧血の症状が出てしまうのです。
貧血の主な原因
いくつか貧血には種類がありますが、中でも鉄分が不足する事によって引き起される鉄欠乏性貧血の割合が多いです。
ヘモグロビンは鉄分で構成されているので、鉄分が不足するとヘモグロビンが作ることができなくなり、そのために貧血になってしまいます。
これ以外にまれに悪性の貧血があり、最悪の場合放置すれば命に関わります。
悪性貧血や再生不良性貧血、腎性貧血や溶血性貧血がこれに当たります。
貧血の主な症状
貧血の状態ですと十分な酸素が身体に供給されないため、酸欠状態になってしまいます。
そのため全身の症状が起こりやすくなります。
だるさやふらつき、めまい、頭痛、吐き気、嘔吐、動悸などを訴える人が多いです。
酷いケースでは倒れてしまう事もあります。
貧血になりやすい人
・うまく鉄分を吸収できない
・生理の際の経血量が多い
・胃腸虚弱体質
・冷えを感じやすい
心当たりがある方は普段の生活に気を付けたり、体質を改善するように心掛けましょう。
便秘と貧血について
貧血が便秘の原因となったり、逆に便秘が貧血の原因となる事もあり、まさに相互作用という状態です。
貧血と便秘の関係
便秘とは便通がスムーズにいかない状態です。
そのためにトイレで通常の状態より強くいきむ傾向があります。
その時に直腸のあたりに血液が集まり、脳の血液量が足りなくなって貧血になります。
トイレで立ち上がった時にふらついたり、立ちくらんだりするのは、脳に血液が行ってない証拠です。特にトイレが和式の場合、より貧血になりやすいので注意が必要です。
また便秘の時には腸の中に身体に有毒なガスが発生し、それが腸壁から血管に吸収される事によって、血流が悪化し貧血になる事もあります。
貧血傾向の人は、全身の臓器に血液が回りきらないため、活動が抑えられてしまっています。
また代謝の能力も低下し、内臓の働きも鈍くなります。
腸でも蠕動運動が弱くなってしまうために、便秘になりやすくなります。
さらに貧血によって血流が悪く、体内の水分が腸まで届きにくいのも便秘になる原因のひとつです。
また貧血の人は筋力も低下している傾向にあり、腹筋も弱くなっているために便秘になりがちです。
貧血が原因で便秘になっているのであれば、まず貧血を改善することが必要になります。
便秘と貧血は女性に多いのは何故か
女性は生理の時に出血するため、貧血になりやすいという事に加え、生理以外にも妊娠出産といった、大きな身体の状態が変化するような出来事があり、ホルモンの影響も受けやすくなっています。
また男性に比べて鉄分の吸収が良くないという事や、腹筋が弱いという事も関係しています。
便秘による貧血から考えられる病気
どのような病気のリスクがあるか
以下を参考にして下さい。
命に関わることもある病気になりますので、できるだけ早く医療機関を受診する必要があります。
悪性貧血
赤血球を作るのに必要なビタミンB12が欠乏してしまい、赤芽球という悪質な物質がたまることによって、悪性貧血になってしまいます。
治療は通常ビタミンB12を補うことから始めていきます。
再生不良性貧血
人間は血液を作り出すのに必要な造血幹細胞が骨髄にあり、その造血幹細胞が極端に減ってしまうために発症する貧血が再生不良性貧血になります。
また薬物の副反応で発症する事もあります。
ただし、多くの再生不良性貧血は原因が特定できません。
免疫抑制剤やステロイドを使用した治療を行いますが、根治には骨髄移植が必要であると考えられています。
腎性貧血
腎性貧血というのは、腎臓の疾患などによって腎臓の機能が低下してしまい、それによって造血機能を促すエリスロポエチンというホルモンが減ってしてしまう事で起こる貧血です。
鉄分を補給しても改善する事はないので、薬で赤血球の生成を促し、エリスロポエチンを注射で補充するのが標準的な治療法となっています。
それと並行して食事療法も取り入れる事が多くなります。
溶血性貧血
人間の身体の中では、通常一定の間隔で赤血球が循環して新しいものに生まれかわっています。
しかし溶血性貧血になると、通常よりも短い間隔で赤血球が破壊されてしまい、その数が極端に減ってしまう事によって、貧血症状が出てしまいます。
軽症の場合には経過観察で済みますが、重症の場合には赤血球を破壊する原因である脾臓を摘出するケースもあります。
便秘による貧血を放置した場合
便秘を解消する努力をし、貧血をしっかり治療する事がとても大切です。
放置しておくと、自律神経の異常へと発展しかねません。
そうなると治療にも時間が掛かりますので、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。
めまいや立ちくらみにも注意が必要です。
病院を受診するタイミング
軽い便秘や貧血だと、自然に治るのを待ってしまうかもしれません。
しかし、もしも生活に影響が出ているようであれば、今すぐに受診しましょう。
冷や汗やめまい、吐き気などの症状が出てからでは遅いと言えます。
ごく稀に検査でその他の病気が発見されるようなこともありますから、安心のためにもできるだけ早く受診する方が良いでしょう。
便秘と貧血の解消法
解消法を紹介していきますね。
便秘と貧血両方を解消する方法
便秘になると便が硬くなり、排便に時間が掛かってしまいます。
そのせいもあり、ついいきんで排便しようとしてしまうかもしれませんが、逆に症状は悪化してしまいます。
便意が自然に起こるように、食生活や運動、生活習慣などを見直してみましょう。
妊婦の方は便秘と貧血の両方で悩むことが多くなりますが、市販の薬を使う事はせずに、必ず主治医に相談するようにして下さい。
便秘と貧血解消に効果のある薬
貧血を改善するためには鉄分を摂取するのが有効ですので、鉄剤を服用すると効果的です。
普段の食事から鉄分を必要量摂取するのはなかなか難しいので、鉄剤で補助すると良いでしょう。
鉄剤は病院でも処方されますが、薬局やドラッグストアでも市販されています。
生活習慣を見直して便秘と貧血を解消
まずはバランスの取れた食生活を送りましょう。鉄分を多く摂るようにし、さらに鉄分の吸収を高めるためにビタミン類やたんぱく質も積極的に摂りましょう。
腸の中の環境が悪化すると、便秘や貧血などの体調不良はすぐに引き起ります。
過食を避け、アルコールもほどほどの量にとどめましょう。
睡眠不足やストレスも胃腸の働きに悪影響を及ぼしますから、できるだけ規則正しい生活を心掛けましょう。
便秘と貧血に関するよくある質問
チェックしてみて下さい。
妊婦はどうやって便秘解消すればよいですか?
食物繊維を多く含んだ食品を積極的に食べたり、軽い運動を取り入れるのも効果的です。
それでもどうしても便秘が解消しない場合には、主治医に相談し妊婦でも飲める薬を処方してもらって下さい。
市販の便秘薬は飲まない方がいいですか?
ですから、どうしても出ない時に使用するのは良いと思いますが、基本的には生活習慣や食生活を見直すことで、根本的に便秘体質を改善する対策を取ることが大切です。
プルーンは鉄分や食物繊維が多いと聞きますが沢山食べてもいいですか?
しかしプルーンはソルビトールという物質を含有しています。
この成分は摂り過ぎるとお腹がゆるくなる性質があるため、ドライプルーンであれば1日5~7個程度を限度とした方が良いと思います。
便秘で冷や汗が出るのは何故ですか?
またトイレでいきむと脳に血液が行かなくなり、冷や汗やめまいを感じる事もあります。
便秘を解消するように心掛ける事が、一番の予防になります。
鉄剤を服用すると便秘になりますか?
また吐き気を感じる事もあります。長く続くようであれば医師や薬剤師に相談しましょう。
まとめ
便秘も貧血も女性に多い症状になります。
貧血になるとめまいや冷や汗、吐き気や頭痛といった身体の不調が起きますが、それは便秘が原因となっているケースもあります。
また逆に貧血が原因で便秘になっているケースもありお互い相互関係があります。
どちらも長期化しないように対策を取ることで、便秘と貧血両方の改善を目指しましょう。
食物繊維や鉄分が豊富な食べ物を積極的に食べるようにしましょう。
バランスの良い食生活と、規則正しい生活習慣は、便秘と貧血の両方に欠かせないものです。
便秘薬を長く使っていると身体が次第に慣れてしまいますので、できるだけ自然に便意が訪れるようにしていきましょう。
また、便秘や貧血の陰に思いがけない病気が隠れている場合がありますので、どちらも長引いている場合は、早めに医療機関を受診しましょう。